どうして、言えなかったんだろうね。



まっ




いっか。


この際だ…


禁煙しようよ?



だって今の世の中を見てみろよ。


禁煙しろと言わんばかりに喫煙者を消そうとしている。



ただでさえ限られていた喫煙スペースが、日がたつごとになくなってゆく。

そして歩き煙草をするだけで罰金まで取られる。

何円だったか忘れたけどさ。



だからやめようよ。


あ〜でも明彦に隠れて吸う煙草って最っ高においしいんだよね。



なんかね、学生時代によくつるんでいだ友達とトイレで隠れて吸っている気分になるの。


あの頃はただ悪さをしたかったが為に煙草を吸っていたけど


今はもう





美味。




煙草!最高!!!






…って、いかんいかん。



煙草やめるんだった。



私はそう思い、辺りを見回した。

よし。



明彦は今ここにはいない。


さっき「行ってくる」とかなんとか言って、私の家でくつろいでいたのにもかかわらず、私を1人残してどこかへ行ってしまったから。


私はそれを確認し


「がんばるぞー!!!!!」



と、叫んだ。


「何を?」

「うっわ!明彦!!!」


漫画みたいな、いいタイミングでそう言って私の前に姿を現した明彦。


「はっ早かったねぇ〜…」

「お前1人残して俺がどっか行くわけねぇだろうが。」

「そうでございますね!」


昔はもっと優しかったのにねぇ〜いつのまにかこぉんな言葉遣いになってますし。

まぁこっちの方がテレビの明彦よりも、なんだか素の明彦っぽくて私は好き。


「なぁ」

「何?」


「『何』じゃねぇよ。ほらっこれやるよっ」

「はっはぁ?!」


彼は私に綺麗に包装された、青い箱を投げた。


「お前、今日は?」

「おっお前って言うな!」


「…愛子、今日は?」


「3月9日!」


「…まぁそうだけど」



「あっ卒業の日か。2年前、高校卒業しました〜〜〜!」


そう笑顔で言った。


すると、彼はまた呆れた顔をして






「愛子が、隠れて煙草を吸わなくていい日でしょ?」







そう言ってキスをした。



私の大好きな煙草の味がした。


苦くて


でも、なんだか少し甘くて。


まるで、明彦の香りみたい。




そして、綺麗に包装された箱の中身は


私の為に買ってくれた、1カート分の煙草と、








いつも私が愛用していたライターだった。











fin...             あとがき